2006年8月 9日 (水)

韓国のオカリナ事情(6)呼吸量(下)

あくまでも一般的な傾向として、韓国のオカリナの方が息を沢山必要とする製品が多いという話をしましたが、その理由については諸説あります。

1.民族性の違い説
 韓国の人達とカラオケボックスに行くと、その声量の豊かさに圧倒されます。声の大小は歌の巧拙には関係なく、大声で上手な人も大声で下手な人もいますが、概して声量は豊かです。韓国の各種ののど自慢大会をみても絶唱タイプの受賞者を多く見かけます。このような人達がオカリナを吹いたら、と想像するだけでも、なんとなく納得してしまいます。

2.愛好者層の違い説
 日本では中高年女性のオカリナ愛好者が多いようですが、韓国では10代、20代の若者にオカリナ愛好者が多いです。それぞれの消費者に対して製作者がオカリナを販売し、消費者の呼吸量に合わないものが淘汰されていく過程で、自然と日韓の違いが生じたのではないか、という見方もあります。

3.製作者の違い説
 日本ではオカリナ製作の歴史が長く、年配の製作者も多いです。韓国ではオカリナ製作の歴史が短く、若手の製作者が多いです。大抵のオカリナは製作者本人が吹き易いように作りますから、自然と日韓の違いが生じたのではないか、という見方もあります。

いずれにせよ、オカリナには、同じキーでも、息を沢山必要とする製品もあれば、息をあまり必要としない製品もあります。このことはオカリナ初級者には余り知られていませんが、初級者のオカリナ選択においては重要なチェックポイントであるように思います。

 

 

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2006年7月29日 (土)

韓国のオカリナ事情(5)呼吸量(上)

日本にも韓国にも多数のオカリナ製作者がいて多様なオカリナを作っているので、「日本のオカリナはああで韓国のオカリナはこうだ」という一般化は困難です。ただ、例外はあるという前提で一般的な傾向を言えば、日本のオカリナより韓国のオカリナの方が、息を沢山必要とする製品が多いです。これを韓国人の視点から言えば、韓国のオカリナより日本のオカリナの方が、息を必要としない製品が多いです。

オカリナは息を弱めると音程が下がりますし、息を強めると音程が上がります。したがって、いま述べた日韓のオカリナの傾向を言い換えると「日本のオカリナはピッチが高め、韓国のオカリナはピッチが低め」ということになります。

日本のティアーモオカリナの一部製品にはソロ用と合奏用があるそうです。私は手にしたことがないので分かりませんが、もし、ソロ用は低めピッチ(強く吹いて大きな音を出す)、合奏用は高めピッチ(弱く吹いて小さな音を出す)という違いなのであれば、韓国のオカリナと日本のオカリナの関係は、ソロ用楽器と合奏用楽器の関係になぞらえるとイメージしやすいかもしれません。

もちろん、息の強弱は相対的なものですので、「韓国のオカリナはソロ向き、日本のオカリナは合奏向き」といった短絡化はできません。あくまでも一般的な傾向として、韓国のオカリナの方が息を沢山必要とする製品が多いという話です。

 

 

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2006年7月24日 (月)

韓国のオカリナ事情(4)F管かG管か

オカリナには様々なキー(音の高さ)の製品があります。10本指を閉じたときの基音がドであるC管が一番分かりやすいですが、別のキーの製品を買おうと思ったとき、日本と韓国では大きく事情が異なります。

日本ではC管の次にはF管が普及しています。個人製作者の品揃えを見てもC管の次にF管(基音がファ)が多いですし、アンサンブル用の楽譜にもC管とF管を使用するものが多いです。しかし韓国では、C管の次にはG管(基音がソ)が普及しています。個人製作者の品揃えを見てもC管の次にG管が多いです。

韓国の複数の製作者や愛好者に理由を聞いてみると「韓国にオカリナを広めた宗次郎さんがG管をよく使っているから」「G管が単独で吹いたときに一番音色がきれいだから」などの説が挙がりますが、どれも決定的な根拠はありません。逆に、なぜ日本ではF管が多いのかと尋ねられますが、私は日本のオカリナ事情に詳しくないのでよく分かりません。

日本ではF管を「アンサンブル用」と考える人が多いようですし、韓国ではG管を「ソロ用」と考える人が多いようです。ここで「日本人は和を重んじ、韓国人は個を重んじる」といった安直な比較文化論に流れたくはないのですが、FとGでそもそも音調の違いがあるのか、オカリナ特有の話なのか…。詰めて考えると奥が深いですね。

 

 

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2006年7月20日 (木)

韓国のオカリナ事情(3)円型オカリナ

日本で「オカリナ」といって皆が普通にイメージする楽器は、韓国では鵞鳥型(거위형)とかT字型(T자형)とか呼ばれています。それに対してテントウムシ型(무당벌레형)とか円型(원형)とか呼ばれるオカリナも韓国では比較的よく見かけます。オカリナの教則本についても、わざわざT字型用と円型用を別々に出している出版社もあるくらいです。

円型オカリナは6穴が基本で、半音の運指を考慮した7穴の製品もあります。日本でコカリナという商品名で知られている木製オカリナとほぼ同じ運指です。まれに、T字型のオカリナを円型に変形させたような9~10穴の製品もありますが、こちらは円型オカリナといっても運指はT字型とほぼ同じです。

円型オカリナは幼稚園や小学校、あるいは町の子供向け音楽教室で比較的よく見かけます。子供達には薬指や小指も使うT字型は運指が難しいという事情と、子供達の習う歌は音域の狭い円型オカリナでも吹けるという事情があるようです。円型オカリナの方が安価に入手できるという事情もあるでしょう。

しかし、違う運指をマスターしても将来本格的にT字型オカリナを始める際に大変です。また、最近はプラスチック製T字型オカリナの選択肢が増え、子供用の安くて品質の良い製品が入手できるようになってきました。したがって、将来的には円型オカリナは現在よりマイナーなものになっていくのではないか、という印象を受けるのですが、さて、どうなるでしょうか。

 

 

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2006年7月16日 (日)

韓国のオカリナ事情(2)素焼製品と釉薬製品

韓国では教育現場(小中学校や町の音楽教室)でもオカリナが使われることがありますが、教育現場では「着色できるのでかわいい」「硬くて割れにくい」等の理由で、釉薬をかけて焼成した製品が好まれます。

一方、オカリナ愛好者の間では「音色がよい」「吸水性がよい」「すべりにくい」等の理由で、素焼製品が好まれます。韓国のオカリナ愛好者間で定評のある製品はほとんどが素焼製品です。

製作者の立場から見ても、釉薬製品は高温で焼成することが多いのでピッチの設定や焼成後の調律が難しいそうですし、釉薬処理の工程が加わる割に子供向け製品は他の製品より安価にすることが求められますから、よい楽器を作るためには厳しい条件かもしれません。

そういう理由で「釉薬製品は子供のおもちゃだ」と思っている人もいます。確かに韓国内ではそういう傾向はありますが、全てがそうではありません。立派な釉薬製品もありますし、立派でない素焼製品もあります。

 

 

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2006年7月 9日 (日)

韓国のオカリナ事情(1)

 韓国でオカリナの人気が高まったのは、NHK「大黄河」が韓国内で放映されたことがきっかけです。宗次郎さんの挿入曲が人気を集め、楽器店でも日本製のオカリナが販売されるようになりました。

 しかし、買ってきたオカリナを吹いても、宗次郎さんのような音が出なかった、という思い出話を複数の方から聞きました。ここまでは、私も似たような経験を持っているだけに、親近感を覚えます。

 ただし、ここからが陶磁器の国のパワーなのか、もっと良い楽器を作れるのではないかと、何人もの愛好家が自分で製作を始めました。韓国には陶磁器製作の先生や道具は豊富ですが、オカリナについては皆ほとんど独学です。日本製のオカリナを手本に改良を試みたり、仲間同士で情報交換をしながら、何人ものオカリナ製作者が生まれました。

 2006年現在、韓国ではホームページ上でオカリナを販売しているメーカー(個人製作者を含む)が29社あります。ホームページを作っていない個人製作者を含めると40~50社があると言われています。そして、それを支える需要がある(愛好者が多い)ということです。

 これから、韓国のオカリナ製作者についても順次紹介していきたいと思います。
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